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2009/10/18

アメリカからの探し物 前編

こんにちは、遠藤ちひろです。今回は珍しく日本文化論を二回に分けて。

お仕事も、朝の街頭演説もない日曜日。こんな日はなぜか早く目が覚める。
朝10時頃にはメールも洗濯も終わり、爽快な気分のまま久しぶりに多摩川の河川敷を走ることにした。

去年作ったサッカーサークルの黒いユニフォーム(胸にはストライカーナンバーの9)にグレーのハーフパンツ、踝までの靴下とランニングシューズの完全装備。
キャップをかぶれば絵に描いたような爽やか若手ジョガー(!?)。秋のお祭りが続いたので走るのは2週間ぶりだったけど、カラダは軽かった。
関戸橋から風の道に入り、分倍河原の折り返しポイントあたりまでは20分くらいだろうか。上機嫌で快調に飛ばすわたしをすれ違う女性三人組が呼び止めた。
「ちょっとお兄さん、すみませんけど」

足を緩めて立ち止まる。年配の女性2人と、スカイブルーのTシャツを着た若い女の子だ。
なんだろうか? 汗を拭い、キャップをかぶり直しながらゆっくり近づいた。
「ええと、あなたみたいな若い方ならわかると思うんですけどね…」と切り出されたのは意外な探し物のお話。ありきたりな日曜日が急展開を始めた。
スカイブルーの女の子はアメリカ人で、地元のボーイフレンドにお土産を探しているとのこと。
年配のご婦人は英語が出来るらしく、これまでの会話をかいつまんで教えてくれた。

探しているのは女性のお人形。小さくて着せ替えできるかわいらしいお人形が欲しいんだとか。
ご婦人方もアメリカ人の彼女とはそこで出会ったばかりのようで、少し困ったようにどこにいけばあるかしらね、なんて言っている。
とりあえず河川敷にはないだろうと思いながら、近くのおもちゃ屋さんをアタマのなかで探してみた。

ご婦人「 聖蹟桜ヶ丘にいけばきっとあるんじゃないかしら。あなた、聖蹟わかるわよね」
わたし 「まあそこに住んでますから」
ご婦人「 あらよかった。じゃあこのかた案内してあげて下さらない? 京王デパートにあると思うわ」

アメリカの女の子は話がよくわからないまま、愛想笑いしている。
たしかに聖蹟桜ヶ丘に帰ることは帰るけど、おかしなことになってきたな。
断りきれないまま曖昧に頷くと、ご婦人たちは肩の荷が降りたらしくカラカラ笑ってお辞儀した。
振り返って女の子に「He takes you to the shop..」彼についていけば大丈夫よ、というわけだ。

あっというまに二人きり。急展開に戸惑いながら聖蹟桜ヶ丘までつれてきゃいいのねとスマイルで取り繕い、久しぶりの英語組み立てに入った。
彼女と河川敷を走って帰るわけにもいかない。まずは駅だ。
わたし「チヒロと言います。えっと、じゃあ案内するから駅に行こう。」
彼女「はい。ええと、あなたは何をしてるかたですか?」
確かに。いくら日本が安全でも初対面のひとといきなり2人で買い物にいくのは彼女にとっても冒険の部類に入るだろう。
あのご婦人たちもどういうつもりなのかな。
あんまり怖がってる感じもなかったが、まずは遠藤ちひろはこの上なく安全な人だよとアピール開始。

駅までの10分でわかったことは、イリノイ州だかノースカロライナあたりからきたクリス(彼女の名前ね)のおばあちゃんが日本人。
普段は病院で技師として働くクリスは、20歳の誕生日を期に思い切って祖母の国に遊びにきたんだって。
一週間ほど滞在して京都や広島(おばあちゃんの出身地)などを見て、府中の友達の家に滞在中。明後日にはアメリカに帰るそうだ。
帰国に当たってお土産探しに当てる1日のスタートだったが、いきなり河川敷に出てしまい早速躓いたというわけ。
土地勘がないのもほどほどにしたほうがよいとおもったが、これもなにかのご縁。はたちのクリスとお土産探しに付き合うことにした。

分倍河原から聖蹟桜ヶ丘までは京王線でふた駅。さっそくクリスが運賃を聞く。
120円なので教えてあげる
It costs you hundred twelve(112円だよ)
彼女がちょっと上目遣いに私を見返した。ん、なんか間違ったな。
120円はtwelveじゃなくて twentyだ。ああはずかし。
(後半へ続く)

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